理系修⼠1年の皆さんにとって、就職活動と研究をどうやって両⽴させるかというのは⼤きな課題です。研究室推薦や学校推薦で内定できる企業も数多く存在すると思いますが、推薦内定にはいくつか問題もあります。
まず、内定獲得が遅いこと、場合によっては志望企業を同時並⾏で受けられないこと、さらに投資銀⾏やコンサルティングファームなど学校推薦にない企業もたくさんあることです。
そこで、今回は私の実体験も含めて、修士課程の学生が推薦以外の就職活動と研究を両⽴させるためのポイントをご紹介しようと思います。
- ポイント1 研究室を休む覚悟を持つ
- ポイント2 早くから動き始め、スケジュール管理を徹底して隙間時間を有効活⽤する
- ポイント3 スカウトサイトに早くから登録する
- ポイント4 ⼈脈を⼤切にして情報交換を活発に⾏う
- まとめ
ポイント1 研究室を休む覚悟を持つ
まず多くの人にとって、ある程度研究室を休まなければ内定獲得は難しい、ということを最初に述べておきます。
内定獲得までの流れは⼀般的に、
- 情報収集
- 受ける企業の選定
- ES 提出
- テスト受験
- ⾯接選考(複数回)
- 内定獲得
で、場合によってはここに、
- OB訪問
- インターン
- 選考を受けているメンバーやインターンメンバーを対象とした懇親会
などが加わってきます。
このうち、自分の隙間時間で作業できるのは、1. 情報収集, 2. 受ける企業の選定, 3. ES提出 のみです。場合によってはテスト受験がWebテストで、こちらも隙間時間で解決できるかもしれませんが、他の面接選考, OB訪問, 懇親会 は、基本的に受験企業に時間を合わせなければなりません。
特に、投資銀⾏やコンサルティングファームなどは、参加必須のインターンで選考が⾏われると⾔うのが⼀般的です。よって、⾃分だけのタイムマネジメントや頑張りだけではどうにもならないということを頭に⼊れておいてください。
つまり、研究室を休む覚悟を持つ必要がある、ということです。
そのためには、予めコアタイムのない研究室や、雑⽤の少ない研究室、家でも作業可能な研究テーマ、就活に理解のある教授の研究室を選ぶことが有効です。
もし、既にこのような研究室を選ぶことができなかったという⽅は、教授を説得して理解を得るか、多少研究室から反感をかっても気にせず研究室を休む強い⼼が必要です。
研究室は学⽣の⼈⽣に責任を取ってはくれませんし、修⼠1年の早いうちに内定を獲得できれば、修⼠2年でいくらでも挽回可能です。結局、就活が終わらないと研究にも⾝が⼊りません。
もちろん、選考が遅い企業であれば修士2年での就職活動は避けれませんが、そのような場合であっても、悔いの残らない就職活動のために研究スケジュールは入念に検討すべきです。
付け加えて申し上げると、投資銀⾏やコンサルティングファームの⾯接ではメーカー技術職と違い、研究内容について詳しく聞かれることは稀です。もしこのような業界を志望しているのであれば、研究を犠牲にして就職活動に専念するのがベストです。
「研究をなおざりにするなんてけしからん!」という意見もあるかと思いまが、就職活動の現状を考えると仕方ありません。
それでも、「やはり、研究をしっかりとこなしつつ就職活動を行いたい」とお考えの学生さんは、
- 大学などの推薦制度を利用する
- 就職活動の期間を区切ってその間に内定を得られたところに行く
- 博士課程に進学し、研究に専念しつつ研究を活かせる職を見つける
という選択をするのが良いでしょう。
ポイント2 早くから動き始め、スケジュール管理を徹底して隙間時間を有効活⽤する
続いて、どのようにタイムマネジメントをして効率よく1, 2, 3の部分を⾏うかについて述べます。
まず情報収集はとにかく早くから始めましょう。現在は外資就活ドットコムやSmartthonなどの便利なサービスが多いので、そちらで情報収集を行ったり、選考のスケジュールを確認するのがおすすめです。
ES はスマホのメモ帳などを使って電⾞や移動時間に書き、あとでコピペしてES フォーマットに書けばすぐに提出できます。
ただ、忙しくて飲⾷の時間が取れないという時でも⽔はしっかり飲んで、移動の徒歩の最中やホームなどでおにぎりを⾷べて健康には気をつけてくださいね。私はよく脱⽔症状のようになって⼤変でしたので、忙しくてもここだけは忘れないでください。
ポイント3 スカウトサイトに早くから登録する
次に、情報量、内定の可能性を増やすためにこちらからのアプローチだけでなく、企業からアプローチをもらうことの重要性について述べます。
最近はスカウトサイトがかなり充実しています。中でもお勧めはirootsやLabBase です。スカウトサイトではどの企業に対しても使える⾃⼰PRを書く必要があります。このような⽂章を早くから書いて登録し、それに対する企業の反応を得ることでESにも使い回しできますしおすすめです。
ポイント4 ⼈脈を⼤切にして情報交換を活発に⾏う
就活は情報戦です。知っていればもっと効率的に動けること、有利になる情報などがたくさんあります。
このような情報をとり逃さないために情報収集、情報交換は⼤切にしてください。どうしても院⽣は研究室の同期や先輩で会話が閉じてしまうことが多いと思うのですが、もっと広い⼈脈を作り⼤切にしてください。中⾼時代の友⼈やサークルの友⼈、就活で知り合った⼈などとも少しずつ会話をし、情報交換をした⽅が良いと思います。
また、Twitterで就活アカウントを作っている⼈も多くいます。情報の取捨選択には注意しなければなりませんがこのようなSNS でも⼤量の情報を得ることができます。
まとめ
まとめますと以下の4 つのポイントです。
- 研究室を休む覚悟を持つ
- 早くから動き始め、スケジュール管理を徹底して隙間時間を有効活⽤する
- スカウトサイトに早くから登録する
- ⼈脈を⼤切にして情報交換を活発に⾏う
就活市場においてどの業界においても理系院⽣はその肩書だけで強いです。⾃信を持って頑張ってください!