「10年後には今ある職種の約半分がなくなる」
このような予言を聞いたことはありますか?これには、AI(人工知能)が深く関わっています。
いま、世界はAI革命の真っ只中です。計算機の性能が向上し、AIの性能が急速に向上しています。AIが飛躍的な進歩を遂げた10年後、あらゆる職業の在り方は代わり、結果として今ある職種の半分が無くなるというのです。
では、わたしたちはどのようにしてこの未来に備えなければならないのでしょうか?今回は、「学生のうちからAI革命の時代を生き抜くスキルを身に着けるために、なにをすべきか」をお話します。
2030年に求められるスキル
「10年後には今ある職種の約半分がなくなる」と予言した人物の1人が、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授。いま世界中から注目されている研究者の1人です。
オズボーン氏らは、「2030年にアメリカで必要とされるスキル」のランキングを発表していますので、少しご紹介します。これらはまさに、AI革命後に必要となるスキルといえるでしょう。
2030年にアメリカの仕事において求められるスキル
順位 | スキル |
---|---|
1 | 学習戦略を立てる力 |
2 | 心理学の知識 |
3 | 指導力 |
4 | 社会的洞察力 |
5 | 社会学・人類学の知識 |
6 | 教育力・訓練力 |
7 | 協調性 |
8 | 独創性 |
9 | 発想の豊かさ |
10 | アクティブラーニング |
11 | セラピー・カウンセリングの知識 |
12 | 哲学・神学の知識 |
13 | スピーキング |
14 | サービス思考 |
15 | アクティブリスニング |
16 | 複雑な問題に対する解決力 |
17 | 口頭表現力 |
18 | コミュニケーション学・メディア学の知識 |
19 | 滑舌の良さ |
20 | 判断力・意思決定力 |
(THE FUTURE OF SKILLS - EMPLOYMENT IN 2030 , Hasan Bakhshi, et al.,
https://futureskills.pearson.com/research/assets/pdfs/technical-report.pdf より抜粋したものを株式会社prdにて翻訳)
オズボーン氏らの予測をまとめると、2030年に重要となるスキルとして、
- 「学習戦略を立てる力(新しいことを学ぶためのスキル)」「アクティブラーニング」「アクティブリスニング」といった、学び続けるスキル
- 「心理学の知識」「社会的洞察力」「社会学・人類学の知識」といった、人間を理解するスキル
- 「教育力」「訓練力」「協調性」といった、チームをまとめるスキル
などが考えられる、ということになります。
柔軟に対応するためのスキルが求められる
「学び続けるスキル」、「人間を理解するスキル」、「チームをまとめるスキル」...どれも抽象的です。逆に言えば、「これを勉強すれば大丈夫」などというスキルは無い、ともいえます。
以前、就職前に鍛えておきたい3つの基礎スキルとして、英語、会計、ITをご紹介しましたが、これらはあくまでベーシックなスキルです。
上の記事では、「これからの仕事は、会社単位ではなく、プロジェクト単位になる」ということもお話しました。
プロジェクトベースの仕事では、3種の神器に加えて、「新しいものを学び、チームメンバやクライアントと良好な関係を築き、答えのない複雑な問いに立ち向かう」ということが必要になります。
まさに、「学び続けるスキル」、「人間を理解するスキル」、「チームをまとめるスキル」が求められているのです。
実用的なスキルを身に着けて未来に備えよ
大学の中だけで習得するのは難しい
今回は、「学び続けるスキル」、「人間を理解するスキル」、「複雑なシステムを理解するスキル」が重要になるということをご説明しました。こういったスキルを学生のうちから身に着けておくことで、AI革命の波の中でも価値を生み出し続けられる人物になります。
ただ、こういったスキルは、大学にいる間にはなかなか身に付きません。社会の中でもまれることで、初めて実用的なスキルとして習得されます。
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